ハクビシンって
ハクビシンの生態について
形態
ハクビシン(白鼻芯)とは、ジャコウネコ科の小動物で、日本列島のほぼ全域に生息しています。
しかし、元々は昭和2年に台湾から毛皮用として移入したものが繁殖して、自然に帰化した外来種なのです。
特徴は、体長が50~75センチで、ネコのようにしなやかな体つきをしている点です。また、その体は黄褐色で、鼻筋にある白い線がハクビシン(白鼻芯)と言う名前の由来となっています。
生態的特長
ハクビシンは、得意の木登りを活かし果実・種子などを採って食べます。しかし、植物に限らず、鳥、カエル、昆虫などの小型動物を食べることもあります。
活動は、夜行性なので昼は野山や木の樹洞などの巣穴にこもり、夜動き出します。
そして、性格は凶暴で時には可愛らしい外見からは想像できない攻撃性を持つこともあります。
見分け方
ハクビシンの見分け方は、その特徴である鼻筋の白い線です。これは、アライグマやタヌキと似ているハクビシンの外見的特徴の1つです。
また、足指の数が前後5本であるため、足指が4本のタヌキ等とは、足跡で見分けることができます。
ハクビシンは外来種?
ハクビシンは外来種?
ハクビシンは元々日本にいた動物ではなく、昭和2年に毛皮用として台湾から輸入された物が繁殖し、日本国内に定着したとされています。
しかし、江戸時代の絵図にハクビシンではないかと思われる動物が描かれていたという話などもあり、実は在来種ではないかという説もあります。
ここまで在来種か外来種かにこだわる理由はあるのでしょうか?
その理由は、現在、ハクビシンが日本国内で私たちの生活に様々な問題を引き起こしていることや、在来種の生態系に与える影響が挙げられます。
もし、ハクビシンが外来種であるならば、有害鳥獣対策として駆除、もしくは根絶してしまわねばなりません。しかし、在来種であった場合、被害対策をとりつつも、ハクビシンを保護しなければなりません。
外来種による生態系への影響
前項目で述べたとおり、外来種が日本の自然に帰化した場合、最も懸念されるのが生態系への影響です。
生態系への影響は様々で、まず、日本の在来種の中に外来種のエサとなる動植物がいた場合、食物連鎖の関係に損害を与えます。また、病気や寄生虫を持ち込まれたことによる生態系の変化や、在来種と外来種の混血による生態系の変化などの要因が挙げられます。
こうした生態系の変化は、私たち人間の生活や産業構造にも影響を与えかねない重要な問題なのです。
生息地について
ハクビシンの住む国
元々のハクビシンは、中国南部や東南アジア、台湾、ジャワ島、ボルネオ島など、暖かい地域に生息しています。
しかし、ハクビシンの仲間が5500万年前から3850万年前にヨーロッパにいたことを物語る化石が発掘されているため、ルーツがどこの国なのかという点では今も分かりません。
日本での分布
日本におけるハクビシンの分布域は、年々拡大し、今では日本全国で確認できるようになりました。
ハクビシンの日本における分布は非常に不自然で、本来、南方系の動物であるのなら、九州などの南国から広がっていくのが普通です。
しかし、野生のハクビシンが始めて確認されたのは、1940年頃、四国、山梨、静岡、福島といった地域だそうです。
また、日本国内に分布するハクビシンは地域ごとに、大きさや、斑紋(はんもん)、尾の長さ等が違うため、様々な国から移入されたか、または混血によって産まれたハクビシンが分布しているのではないかと考えられています。